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【将棋】三浦九段のソフト不正疑惑は冤罪!将棋連盟は再発防止策を示せ!【冤罪】

 再発防止策を示さない将棋連盟は無能!求められるのは組織としての危機管理能力と信頼回復だ

  話題としては将棋のことであるが、この件で気になるのは組織の危機管理、ガバナンスという面だという方もいるのではないだろうか。

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www.nikkei.com

 

 

何が問題か

やはりというかなんというか。

竜王戦のソフトによる不正疑惑で、 日本将棋連盟のトップである谷川会長が、一連の対応の責任を取り辞任とのこと。 この場合、オトシマエというかケジメというのか、会長のクビは必要な対価であると思う。しかし、辞めますハイ終わり、では済まないのだ。

 

 

 何が問題だったのかはこちらの良記事も参照いただきたい。というか書こうと思っていたことをもたもたしているうちに百倍見事に書かれてしまった。

www.sbbit.jp

 

 

神ではない人間は、冤罪を避けられない

この問題については、以前、こちらの記事にて言及させていただいたところである。

masaniisan.hatenablog.com

 

当該記事は、あくまでも、棋士の対応、反応から、どのような状況だったのかを推測した、妄想にすぎないものであったが、第三者委員会からの報告において、疑惑が完全に否定された今となっては的外れなものとなった。

シロクロについては結論が出たところであるが、いまだに「疑われる理由もあったのでは」という意見も見られるので、まず、はっきりさせておこう。

 

今回の件は冤罪である。

 

もちろん、 三浦九段が本当に何にもしていなかったのかということは、本人以外には誰にもわからないことだ。真実は神のみぞ知るというやつで、我々人間には、本当は何があったのかということを知りえるすべはない。超能力者でもない限りは。

だから「裁判」は、確認できる客観的な証拠と、関係者の証言など「本当かどうかはわからないが主観的な根拠」に基づいて「本当らしい筋書き」を考え、それが一応の事実であるということにして、有罪か無罪を決めるのだ。

人間は神ではないから間違いも犯すことがあるが、できる限りは無実の人を獄に繋ぐことは避けなければならない。

だから、「疑わしきは罰せず」なのだ。

これは人権の問題でもあるけれども、神と違って真実を知りえない人間が、自らの限界を知って、わきまえるべき一線なのだと思う。

少なくとも疑いを本当のものだとして動くなら、それが真実であろうと信じるだけの根拠を持って、できるかぎり事実を確かめるべきなのだ。

それが誠意というものだし、クロ認定をするからにはそれだけのプロセスを踏み、可能な限り確かめるべきを確かめ、確信をもってやらなければならないのだ。

だから、告発者が何と言おうと、裁定者はまず事実確認をしっかり行わなくてはならない。しかし、これを怠ったまま、実質的にはクロだと認定してしまった。表向き休場届の不提出が処分理由といっているがこれは言い訳。事実確認をきちんとやらなかった連盟の責任は重いのだ。会長のクビくらい飛ばしてもおかしくないし、きちんとそこを抑えられなかったのなら、いやしくも公益社団法人のトップとして、能力に問題があるということだ。

 

事実確認を怠った連盟の往生際の悪さ

とりあえずこの問題に言及するなら第三者委員会からの報告書の概要版というものを確認しなければならないだろう。報告書の概要はこちらから確認できる。

https://www.shogi.or.jp/news/investigative_report_1.pdf

第三者委員会といいながらも、連盟からの雇われの立場である。こういうものはある程度、雇い主よりになるものだろう。

にもかかわらず、その中でも、まあどうにか連盟をかばおうとした苦悩がしのばれるものだった。

 

なお、この「報告書の概要」については、ドラフト版といって確定前の素案が、直接HPからリンクは貼っていないが外部から確認できる状態だったらしく、そのことでもワイワイしているようだ。2つを比較するとどこがどう変えられたかがわかるのだが、一見した印象としては改ざんとまではいわないが、事実には反しない範囲で文言を直し、連盟の非を軽くし三浦九段にも悪い部分があったという印象を与えようという意図が感じられるものだった。まあこれは本筋ではない。

 

報告書で言っていることを子どもでもわかる言葉に直してみよう。(第三者委員会が言っていることなので、連盟がこう言っているわけではないが)

竜王戦の直前で時間もなかったし~」「スポンサーとかみんなにも迷惑かけるし~」「日程キツキツだから延期もできないし~」

「だから、仕方なかったんだよ。僕ちゃんたち悪くないもん」

「だいたい、『30分も席を離れただろ』ってのは本当じゃなかったけど、言い出しっぺの久保君がカンチガイしたせいだし」

「しかも、そうやって言ったときにその場で否定しなかったじゃん。『警備室に行ってた』とかわけわかんない弁解したから余計疑われるんだよ。ちゃんと否定しなかった三浦君だって悪いんじゃない?」

 

ここまで言ってしまう報告書でありながらも、疑惑を確認できる証拠は何もなかったと断言しているのだ。

シロ以外の扱いはできないし、許されない。

これでも疑われるのならもう何をしても疑われるのだ。

考えてみて欲しい、クロだと思ったのはなぜか?

・対局中頻繁に離席しており、長時間離席した後で常識では考えづらい手を指してきた

・対局した棋士がクロだと確信したと証言している

・ソフトの手順との一致率が高いという話だった

・疑惑を確認したとき、しどろもどろな弁解で怪しい態度だった

・すぐにスマホを提出しなかった

だが、これらはすべて否定された。疑うべき理由は何もなかった。

 

ケジメの示し方

じゃあ連盟としていうべきことは何か?事実無根でしたすみません だよね。

子どもでも知っていることだ。いい大人達のケジメの取り方がこれでいいのか?全然、謝罪になってないだろう・・・。 冤罪とはっきりした以上、きちんと謝れよと。

「根拠なく疑いをかけてしまったが、冤罪であった」

「三浦九段は潔白であり、連盟としては損なってしまった三浦九段の名誉の回復に全力を尽くす」

くらいのことは言ってもいいんじゃないんですかね。

 

それをきちんと言わないってことは、腹の底では、まだ疑ってるってことだよね?

こんな失礼はない。

いや腹の底で何を思ってもいい。でも、仮に何かやってたんだとしても、アヤかけて証拠が出なかったのなら白旗をあげなければならないだろう。シロだという扱いをしたうえで、いつか実はクロでしたとわかったのなら、それだけ悪質だったということでその時は厳しい処分をすればいい。でも、この期に及んでは潔白だと言ってあげないと。

 

それを言えない。連盟としては全面的に非を認めたくはない。

「だってしょうがないじゃないか、~なんだもの」

渡鬼のえなり君も真っ青の口答えである。そんなの赤城春江だって激おこだよ。

 

そして気になるのは、本人に直接会って謝罪はしたのだろうか?

できないだろうなと思う。

「やむを得なかった」というスタンスは崩さないのだから・・。

まあ謝る謝らないは、本来は外野がとやかくいうことではない。だが、あえて言おう。

 

舐めてるのかと。

 

棋士の世界は狭い。所詮はタイトルを争って対局料を貰うことが主な収入源である。

つまり連盟のほうはプロの将棋界そのものでもあるのだから、そこで生きていたい、ただ元通り将棋を指したいという三浦九段にとっては、将棋連盟そのものを潰しても何にもならない。そういう、もともとある意味対等ではない立ち位置にあるのだ。

だからまだ、この時点で訴訟にこそ至っていないが、だからといって、そこに胡坐をかいていいのかと。だって、訴えられてもおかしくないことしてるよね。

名誉を著しく既存したうえ、得られたはずの対局料を失った。

最低限、これらについての補償の話はしなければならないはずだ。(第三者委員会の報告でも言及している)

いや、オファーをしていて、まだまとまっていないから表に出てこないだけなのならよいのだが、今後もこんな態度のままなら出るとこ出てもおかしくないのではないか。弁護士に早急に相談すべきだろう。

 

今後はどうするの?

だが、僕が何より気になるのは今後の対応だ。

普通、たとえトップはお飾りであったとしても、ちゃんとブレーンがしっかりしていればこんなことにはならない。そういう人間もおらず、弁護士に相談しようの一言もなかったということなんだろう。

っていうか顧問弁護士くらい抱えておけよと思うわけで。

辞任会見での発言にしても、チェックする人はいないのだろうか。

一報を聞いた時にはケジメをつけたのかと思った。しかしながら会見の問答でいわく、一番は体調のことが大きいそうである。

いや、責任とってハラキリしたんじゃないのかよと。

そこはそう言っとけよ。じゃあ辛いから逃げただけだろ・・。この会見を見て、これを聞いて三浦九段に誠意が伝わるだろうか?あなたならどう思うだろうか。

 

連盟のなすべき仕事とは

そして何より、棋士を守るのだって連盟の仕事ではないのか?

三浦九段もそうだが、それ以外の棋士たちも気の毒だ。

自分の属する連盟とやらは、大変なときに守ってくれない、非を認めもしないとわかってしまった。たとえ以前がそうであったとしても、これから変わってくれるならまだいいが、何もない。わかったのは、そのままだということだけ。

このままだと、多くの棋士たちは、疑われたら守ってくれないのか、と思いながら指していかなければならないのだ。それがたとえ言いがかりみたいなものでも、竜王など権威のある人間が言えばろくに確認もせずに干されるのか、と。

そして、冤罪だとわかっても全力でリカバリーしてくれないどころかお前も悪いところあったし・・って。

この不安を取り除かなければ棋士たちからも信頼を失ったままである。構成員から信頼されない業界団体に未来などないのだ。

 

少し考えてみよう。例えば。

カンニングなど将棋そのものにかかる不正は、確かに棋士としては最も許されないことであるけれども、犯罪行為は何であれタイトルホルダーにふさわしくないともいえる。

では例えばタイトル挑戦者が、詐欺とか何かの疑いで事情聴取されたとしよう。

事実無根であるかもしれないし事実かもしれない。

どうするの??また、ろくに事実確認もせずに対戦者を差し替えるの??

 

そう、やってしまったことは戻らない。

そのことについてお詫びの意味で切腹するならそれはそれでいい。許すかどうかは三浦九段の決めることだ。

だが、今後同様のことを起こしてもいいのか、ということの総括がなされていないのだ。俺たちは正しかったんだと強弁しているうちは、再発を防ぐことはできないだろう。

それでいいのか?本当に正しかったのか?今後もそれでいくのか?

 

ここをはっきりさせておかないと、スポンサーだって不安だろう。

 

初めての事例で想定外だったというのは一度きりの言い訳だ。二度目はない。

・今回の件は第三者委員会による調査により潔白であると確認した。

・失われたものは戻らないが、三浦九段の名誉回復のため連盟は全力を尽くす。

・このような場合は●●のように対処すべきだったが、切迫した状況の中で判断できる能力もなく、今回はできなかった。そのことは残念だし申し訳ない。

・今後はきちんと対応できるよう対応ルールを決め、また(自分たちだけでは拙速な判断をしてしまう恐れもあるため、顧問弁護士をつけるなど)有識者にも相談できる体制を整えた。

・会員の処分については透明性を持った中で行う。

 

本来、このように表明しなければならないはずなのだ。

 

そして、望ましい対応とはどのようなものなのか。

 

・事実確認をしっかり行う

・基本的には棋士を信頼する立場をとる

これでいいはずなのだ。

クロだという前提で動くならそれだけの根拠がなければならない。(いや、今回にしたって、それくらい当然確認しているものだと世間一般では思っていたと思うし、だからこそそれなりに根拠あってのことだろう、だから三浦九段はクロなのだろうという印象を与えたのだが・・・)

シロだという立場で動いて、あとからクロだとわかったときは大きなダメージとなるかもしれない。だが、そのときはきっちり処分を下せばよいことだ。

 

何らかの疑惑や不祥事案件が出た段階で、どっちにしろスポンサーに迷惑は掛かるのだ。日程的に延期もできないというなら、このような場合はしっかり事実確認のうえで、クロの確証なければ棋士を信頼して予定通り開催する、と決めて、スポンサーにも理解を求めるべきだ。

 

それでもしスポンサーを降りるというなら、連盟に「性悪説に立って対処しろ」ということになるが、そのようなことをいう新聞社は消えてなくなればいいと思う。仮にもマスコミが「疑わしきは罰せよ」というようでは終わっている。