【映画】ドラえもん 新・のび太の日本誕生の見どころはどこか【試写会】
先日、
来週3月5日土曜日から公開される、
本作は、過去に映画になった作品の再映画化になりますので、旧作を観たことのある方もいると思います。
年代的にも、旧作が1989年公開だそうなので、旧作を見ていた世代が、今ドラえもんを観ている子ども達の親になってきているんじゃないでしょうか?
ウチでは2ヶ月くらい前にレンタルで旧作を観たので、それほど必死ではないですが、なんとなく比較しながら観ていました。
とりあえず極力ネタバレなしでの感想を書きます。気が向いたら、公開後にもう少しだけ細かく解説しようかなと思います。
あらすじ
家出を決心したのび太たち5人は、タイムマシンで、誰もいない7万年前の日本に行くことに。原始時代の日本で、自分たちだけのパラダイスを作り、たっぷり遊んだのび太たちは、いったん家に帰ることにしたが、なぜか現代で原始人のククルと出会う。どうやら時空乱流に巻き込まれて現代に来てしまったらしい。そして、ククルの家族がいるヒカリ族は、精霊王ギガゾンビとクラヤミ族に襲われたという。ククルとともに原始時代に戻った5人は、ヒカリ族を救うため立ち上がる!史上最大の家出から、史上最大の冒険が始まる!!
まずはあらすじを公式サイトより。
変わったところはどこか
基本的な話の筋は原作、旧作とほぼ変わりありません。
大きく変わったのはまず映像。
映像表現の進歩はいかに
四半世紀以上を隔てて、アニメーションでの映像表現の進歩を感じます。この作品に限りませんが、現代の作品は凄いですよね。
もし旧作と見比べる機会があれば、比較してみてくださいね。
移動する場面での、景色の描写の美しさ。
また、動きの表現でも一例を挙げれば、リニアモーターカーごっこという秘密道具で雪原を走る場面があります。
旧作では当然ながら手描きセルの時代、画面の中心にのび太たちが足を動かす絵を配置し、背景を動かして描写している、という感じがします。
新作はCG作画なのでしょうか、自由自在にカメラが動いている感じで描かれます。迫り来る木をギリギリ避けて疾走するのは、大げさですが例えば、スターウォーズで乗り物を使った高速戦闘シーンをイメージするとわかりやすいかと思います。
演出面での変化はどうか
ストーリー面では変更はないのですが、場面描写、シーンとしてはカットされた部分と追加された部分、それぞれ印象に残る変更点がありました。
今作の監督のインタビュー記事を見つけたのでリンクを貼っておきます。監督の意図を踏まえて観るのも良いかと思います。
個人的には監督の意図、バッチリ表現できていたように思いました!
演出を増やした部分
ママとの関わり
ママの感情描写が丁寧にされていて、親世代にも共感を得られると思います。
映画では異世界などでの冒険がメインになるので、ママは冒険の対称にある日常の象徴として描かれることが多いです。
そのため、どうしても出かける前と戻ってきた後に登場するほかは、冒険をぶち壊しにしかねない因子としての出番になりがちな印象が僕にはあります。
しかし今回は、育児は育自と言うように、家出を通してのび太が成長するのと同じく、ママもまた親として成長しています。親の目線という観点で見るとまた違った味わいがあると思います。
ギガゾンビとの決戦
演出を原作、旧作から少し変えていますが、個人的には今回の方が好きです。
※ここから若干、ネタバレとまで言いませんが、匂わす表現を含みますので、まっさらで観たい方はそっと閉じてください
ギガゾンビという敵の性質上、ドラえもんたち独力で完全に勝利するのは難しいので、最後の決着はどうしても「アレ頼み」にならざるを得ませんが、中盤でさりげなく追加されていたシーンが登場のきっかけにつながる演出は上手いですね。
また、ドラえもんとの1対1の対決も、旧作はあっさりだったけれど今回は尺を取っています。そこで追加された描写が、最後の決着でも重要な役割を果たしており、意味のある場面描写ですね。
何というか。少なくとも丸っきりアレに頼るのではなく、きっちり「一矢報いた」のがリベンジという感じがして個人的にはかなりスッキリでした。
子どもだと演出の意味が良くわからないかも知れませんが、オチに文句を言うのはオトナでしょうからポイントだけ。
ツチダマの粛清シーンには意味があります。再生する土くれであるツチダマを再生できなくする力は、単なる超能力や念動力ではない。
そのチカラをドラえもんに使ったらどうだったの、とか言わないように!
あと、デカイ奴が追加されています。
絵的に迫力を出す意味もあるのでしょう。
こちらの対処法もいいですね。古代の知恵と未来の道具のコラボ。
ククルとの絆、動物たちとの絆
ククルとの絆があの動物たちとの絆になる。
そして、のび太がどう助かるのか、アレとの関わりをカットする意味でも良かったと思う。子ども心に、いやちゃんと助けろよ、結果オーライかよと思わんでもなかったので。
演出をカットした部分
- ドラゾンビ様に〜導かれ〜
- 小箱ボタン
- マンモスパカー
総評
すごく丁寧に気を配って、原作にも旧作にもリスペクトを忘れずに、現代にふさわしく映像化してくれたと思います。
追加された演出には無駄なものがなく、全て意味のあるものだったと思う。
いつもそんなに描かれないタイムマシンの隠し方にも。分析をその場でするのではなくデータを未来に送ったことにも。
旧作がいいとか言う人も出がちな映画ドラえもんですが、今作はそんなに不満も出ないんじゃないかなと。
素晴らしい作品である旧作でも、わずかにモヤっとするポイント、それは原作通りなので原作に起因するのですが、上手いこと消化してくれたと思います。
何より、今を生きる子どもたちが劇場で観ることのできるドラえもん映画を送り出してくれることに感謝したい。
というわけで、ぜひ観に行ってくださいね!