【将棋】三浦九段のソフトによるカンニング疑惑の真相かも知れない妄想話
2017.1.21追記 関連記事を書きました。
最初に言うと、僕は将棋については素人だ。駒の動きくらいしかわからない。
なので、以下に書くのはそんな素人の僕による何の根拠もないただの妄想であり、あくまでも「こんな事もあるかもしれない」という程度のお話しとして読んでほしい。
特定の棋士の名誉を毀損する意図は全くない。
↑全く関係ないが、回り将棋でコマが立った。
カンニングそのものはシロか?
現時点(2016年10月22日)最新の情報では、三浦九段は潔白を証明するためスマホやPCの解析をしてもらいたいとの申し出をしている。
ここまで大きな話になった以上、実際にデータ解析もするべきだろうが、ここまで言うからには三浦九段自身、潔白との確信があるのだろうし、おそらく対局中のソフト使用という点では解析結果はシロという結果になるはずだ。(そうでなければ派手な自爆行為だ)
そうなれば、将棋連盟と疑惑を唱えた棋士の側は結果として勇み足であったということになる。
もともと、不倫とか奇行といった単なる不祥事ではなく、不正となれば棋士生命を左右するような疑惑であるのだから、戦端を開いた時点でグレーでは済まず、白黒ケリをつけるしかない案件だ。勝負をかけるなら詰ませるだけの裏付けが欲しかったところだ。
もちろん単にゴメンでは済まないので何らかのケジメをつける必要がある。
連盟の拙い対応により、
三浦九段と、ファンとスポンサーへの謝罪の責任を考えれば、少なくとも会長自身の処分、場合によっては辞任も避けられないであろう。
だが、ソフトによる不正が事実でないとすればひとつの疑問が沸く。
「なぜ、三浦九段は疑われたのか?」
疑われた理由
いかに折り合いが悪くても、およそ人を疑うのに、社会的に抹殺する何の理由や根拠もなくということは考えづらい。それが正当なものかどうかは別として。
そして、疑惑を唱えたのが1人ならまだしも、複数いたことから、疑われても仕方ないとは言わないが、疑われる素地はあったのだろう。
真相は不明だが、疑われた理由としては以下のようなことが言われている。実際はどうだったのだろうか?
- 終盤の頻繁な離席。しかも相手が差して自分の手番になってから。
- 離席の頻繁な対局で、それまでの棋風とは異なる大胆で意外な手を指す。攻めが成立するかどうか見通すのが難しいギリギリの攻めや、絶妙な手の連発。
- そのような対局において、指した手のソフトとの一致率が高い。
- 対局後の感想戦で、読み筋を聞いても曖昧な返答だった。読み切っていなければできないような手筋にもかかわらず。
- 疑惑をもたれている対局は、高額な賞金のかかる竜王戦への挑戦者決定戦など、勝てば金になるものが多い。
渡辺竜王や他の疑惑を唱えた棋士は、これを対局中にスマホなどを使ってカンニングしたのだと推理した。しかし、確たる証拠はなかったのだ。結果としては、推理が間違っていた、ということになる。
だが、常に勝負の世界に身を置き、勝手知ったる相手と何度も戦う棋士の世界の空気感は、門外漢の素人に測り知れるものではない。
だからプロ中のプロ、トップ棋士たちの受ける印象というのもあながち否定はできない。もちろん、印象だけで有罪宣告してはいけないのだが。
僕にはこれらの指摘が事実かもわからないのだが、全て当たっていると仮定してみる。
これらが指し示す答えは何か?
ひとつの仮説
以下は、三浦九段が実際にそうしたに違いないというのではない。
似たような状況に置かれた棋士がいたとして、こうだったら色々な点で整合性の取れる説明が可能ではないか、という仮説である。
僕の推理はこうだ。
- スマホによる対局中のカンニングはしていない。つまり、対局中にソフトは使っていない。
- 疑惑をもたれた対局での手筋は、事前に見つけておいた、いわゆる研究手。
- その手筋は、ソフトを使って発見したものだったので、人間が編み出した手と違い、人間には違和感があり指しにくい、ソフト特有の手筋だった。
こう考えると、以下の点を満たすことができる。
- シロでなければ言えない「スマホの解析をしてもらいたい」という主張ができる
- 重要な対局で棋風に合わないソフトっぽい手を指した
- 棋界きっての実力者を相手に棋力差を感じさせるほどの圧勝
いわゆる定石から外れ、棋士の通常の感覚では初見で受けきることが困難な手筋を複数用意していたのだろう。
これ自体は研究と言って、ハメ手のようなものを用意しているのは良くあるようだ。上手くそこに誘導できれば、初見で凌ぐのは困難なので、一勝をもぎ取りやすい。
ただそう簡単に幾つも上手い手筋を見つけておくのは難しい。一度使えば対策される必殺技のようなものなので、使い所が肝心だ。必然、大事な一戦に絞って投入することになる。
そして、対戦相手の感じる違和感は、まさに「ソフトが考えた手筋」であるがゆえのものものであるとすれば理解しやすい。
さらなる仮説
これだけでは納得しがたいという反論もあるだろう。離席の多さと時間、感想戦の淡白さなどの答えにはならない。
では、以下の場合はどうだろうか。
- 必勝の手筋を沢山用意し、そこからの分岐も多いため、メモやPC画面をプリントアウトしたものを持参していた。
- 離席中に、事前に用意したメモを確認し、展開に対応した手順を確認しながら指した。
こう考えれば、重要局面での離席の多さ、読み切ったにしてはその後に時間をかけることの説明もつく。
正解手は知っているがプロセスを把握できていないため、踏み込みの鋭い手にもかかわらず、一歩一歩確かめるような指し方になるため、確認するための離席も増えるということになる。
真相がこうであれば、疑惑が持たれた時に釈明できなかったことも説明可能だ。
- 上記のとおりであれば、ソフトに頼って考えた手を自分のものに咀嚼せず、ソフトそのままの手を指してしまったことになり、プロの権威と自身の名誉に傷がつく。
- 全ての展開を自分で読んだわけではないので、展開を読みきらなければ指せないような踏み込みの鋭い手にもかかわらず、感想戦では考えられる展開に対しての読み筋を滔々と説明することができなかった。
- 自身の倫理観からは、それらを褒められた行為ではないと考えていた。
- そのため歯切れが悪く、不審な印象を与えてしまった。
これであれば、対局中にスマホのアプリも使っていないしPCの遠隔操作もしていない。だが、感覚的にはメモを見たならカンニングではないかと感じるだろう。
では、これは処分されるべき行為なのだろうか?
※なお、重ねて言うが、上記は誰か特定の棋士が実際にこうしたというのではなく、現在起きている状況と同様にカンニングが疑われている架空の棋士が居たと仮定した場合に、合理的な説明ができる仮説を示したものに過ぎない。
やってはいけない事は何か
さて、そもそも「プロ棋士がやってはいけないこと」とは一体何なのか。
間違っても、
「ソフトを使うこと」
そのものではない。
多くの棋士がソフトを研究に利用しているのは周知の事実である。
ソフトが見つけた手筋であっても、実戦投入することには何の問題もない。
一対一の勝負事であることに起因して、
「対局中に自分以外の助力を得ること」
が「やってはいけないこと」なのだと思う。
これは他の棋士からの助言もダメだということだ。
それでは、
「参考書、定石の本を読むこと」
はどうだろう。
これは、上記の定義に従えば、自力ではなく他者の力を借りることになるのでNGだ。
では、
「自分で研究して発見した新たな手筋のメモを見る行為」
はどうだろうか。
これはルール違反だろうか、それとも許されると考えるだろうか。
結論から言うとこれも、
「何らかの用具や機器を使用して自身の能力を拡張する行為」
なので、このようなものもやってはいけないことになる、というか規制すべきことであろう。
だが。
マナーというか良識としてはダメだろうが、注意以上に重いペナルティを課せるだろうか?
明文のルールがないのであれば、ルール違反を理由に罰することはしてはいけない。
「そんなことをする棋士がいるはずがない」と胡座をかいていた連盟の姿勢こそ批判されるべきだ。
ルールはどうすべきか
全てを規定しておくことはできないから、言わずもがなの部分を包括的に縛っておくことになるだろう。
これまでは、良識、棋士としての矜持に期待していた部分と、能力的に棋士を凌駕するようなソフトの無かった時代だからこその、古き良き世界であったかもしれない。
だが、時計の針を巻き戻すことはできないのだ。時代に合わせてルールを追加する必要があるだろう。
公式戦のルールに追加すべきはコレだ
以下の行為又はこれらに類似する行為を禁止する。
- 対局中に自分以外の助力を得ること
- 何らかの用具や機器を使用して自身の能力を拡張する行為
最後に
落とし所というか解決の見えない中で、現実の対処、処分をどうすべきかはわからない。
ただルール整備は必要だろう。
一刻も早く棋士達が安心して将棋をさせるようになって欲しい。