【お出かけ】サイクリングと知事公館と、カラスも子育て頑張り中
今日は大きな怪獣さんの本格的サイクリング公道デビューで、北海道知事公館にお邪魔しました。
芝生が激しく綺麗なお庭です。
右下には、怪獣さん曰く「タマゴ」(大理石でできた安田侃の作品です)が、鎮座しているのも写ってます。
写っている瀟洒な建物が知事公館です。
いやー、特に何もないんですが、ちょっとしたピクニックには最適です。
わざわざ観光に来た人が寄るとは思えない穴場的スポットですが、地元民にとっては使い勝手の良い、ナイスなスポットってありますよね。
ここもまさにソレです。
反対側に目を転じると木立と散歩道、庭内には小川も流れております。
さて、お弁当というほどでもないですが、おにぎりなんぞを食べておりますと、ヤツらが姿を見せました。漆黒の翼に身を包む凶鳥。
枝の上から様子を窺ってます。
とは言っても、成人男性が警戒を怠らなければそうそう食事をインターセプトされることはありません。
ちなみにピクニックなどでのカラス対策について、以前書いた記事はこちら↓です。
とか言いつつ、実は今回ちょっと危うかったです。
今回のカラス君ですが、なかなか腹芸もお上手でした。
スッとぼけて「ソチラにはキョーミありませんよ、あ、なんか落ちてる」みたいな感じで、あっちへトコトコこっちへブラブラしながら、少しずつそれとなく近づいてきます。
これも、こっちの警戒が緩むのを待っている、と思っておいたほうが良いでしょう。
しかし、警戒怠りなく食事を済ませることに成功。
ふん、何のことはないな。
しかし、これが油断の、第一歩。
怪獣どもが遊びだしたので、この写真撮るのに一緒に近づいてみました。
近くに寄ったところで、サッと飛びたち、何とこっちにはまるで目もくれずに、ベンチに置いた荷物のそばへ!!
幸い、食べ終わって片付けた後で、そのまま持っていけるようなモノが剥き出しにはなっていなかったため、ヤツは一旦近くの地面に着地しました。
恐らく、そこから荷物の様子を観察し、飛びかかってバラして中身をせしめるというプランだったと思われます。
一旦慌ててダッシュして荷物側に戻りましたが、何とフテブテしいのか、カラス君は全然離れようとしないのです。
このときの距離はおよそ1メートル強。
こいつ、ニンゲン慣れしてやがる・・・
ですが、このままビビって逃げるわけにもいきません。
おそらく僕が前回カラスを見事に追い払ったことで得られたであろう怪獣さんたちからのわずかなリスペクト、すなわち父の沽券にかかわるのです。
先ほどまで羽織っていた上着を手に、マタドールのように構えます。
我ながら、これは一石三鳥くらいの名案だと思うのです。あ、石じゃなく服だから一着三鳥?
- 上着を広げて構え、バサバサすることでこちらをより大きく見せる
- バリアとして前面に立てて、こちらにとっての脅威である、爪とかクチバシといった鋭くて痛そうな相手の武器を無力化できる
- 投網の要領で、投げて被せてやれば捕獲も可能(やらないけど)
ということで投げるモーションをしてやると、ようやく諦めて離れてくれました。
それでも7,8メートルくらいの距離に止まっています。こちらではない方を見ていますが、まだ油断を誘っているのでしょうか?
と、そのとき突如飛び立ち、
ガァガァガァガァ
大声をあげながら、僕から見て右のほうへ飛んでいきます。
飛んで行った先を見ると、この庭園の敷地は結構広いのですが、向こうの端の方にもう一羽カラスがいて、どうやら男性と威嚇の応酬をしていました。そこに加勢に行ったのでしょう。
男性は石を投げつけて応戦していますが、前後を挟まれ苦戦の模様。やがて男性は退散。
ふむ。
こっちも威嚇するのはいいけど、やりすぎて本気で反撃されたのだろうか?
安易に威嚇するのも良くないのかもしれん。
しかし凄い鳴き声だったなぁ。
その後しばらく遊んでいたんですが、
また
ガァガァガァガァ
見ると今度は高齢の男性が、先ほどの男性がバトルしていたのと同じあたりでカラス君たちに襲われています。
男性はやはり威嚇というか攻撃する素振りを見せていますが、カラスは怯むところか怒っているようです。
ん?
先ほどの男性もそうでしたが、カラスの攻撃モードがちょっと尋常じゃないです。
あわよくば美味しいエサをゲットできれば、という僕とのやりとりとは明らかに違い、カラスの様子からなにか必死なものを感じるのです。
ここでようやく僕は一つの仮説に至ります。
あ、巣があるんじゃないか?
おそらくコンビを組んでいる二羽は、つがいなのでしょう。
場所が同じあたりで、普通はカラスにとっても怖いはずの成人男性が襲われていることからも、カラスの側に攻撃を仕掛けなければならない理由があるということなのでしょう。
そういえばその直前、カラスが警告を与えるような鳴き方をしていたように思います。
カァ〜という普段とは違い、
カァカァカァ
と短いピッチで鋭く鳴くようです。
どんな鳴き方かは、YouTubeあたりで調べてみてください。
このとき人間側がサッサと離れればそれで終わったのでしょうが、気づかずにさらに近づくとカラスもやむなく攻撃というか威嚇をしてくるわけです。
しかし、攻撃された人間の方は、
イキナリ何しやがるこのカラス!
と、なっちゃうわけです。
まあこれも仕方ない、とは思うんですが。
で、ここで反撃しちゃうんですよね。
そうなるとカラスの方としてはもう必死なわけです。
あ、こいつマジヤバイわ。
マジもんで敵だわ。エネミーだわ。
人間の世界で言えば超巨大な宇宙戦艦みたいなのが安全圏を超えて侵攻してくるわけですね。
それに対し散々、そこからは近寄るなと警告を与えた。
それでも近づいてきたので、やむなく威嚇射撃したら、相手は実弾で攻撃してきたわけです。
そりゃもう、戦争しかなくね?
ということで敵認定されてしまった人間に対しては、執拗な攻撃が続くわけです。
通常なら何ともないような距離まで離れても、まだ攻撃は終わらない。
防衛戦では、一度緩衝地帯を超えてきた敵は、緩衝地帯ギリまで下がっても許してはダメで、敵地まで追って叩くのが鉄則なのです。
ってことでカラス君たちも、子どもを守らんと必死なんやろなと。
でも、おじさんもおじいちゃんも、フツーに散歩してただけだったんだろうなぁ。ついてないというか不幸な出会いというか。
でも、こういう目にあった人の何割かは、施設の窓口に苦情を入れるはずです。
カラスに襲われたぞ、あんな危険なのを野放しにするとは何事だ、すぐに駆除しろ!ってね。
でもね。
カラスはきっと警告もしていたと思う。
それを、読み取ることができていれば、避けられたんじゃないか。そんな気がします。
家のそばとか、どうしても通らなければいけないところに巣を作られるとちょっと堪らんわけですが、人間の方がちょっと心得ておくだけで避け得る衝突も随分あるのではないか、と思った次第。
きっとトラブルも増えているでありましょう。カラスとの付き合い方、とか、こういう鳴き声は要注意とか、そういう教育もあって良い。
そして何となくですが、僕は今日、カラスとそれなりにコミュニケーションできた気がする。
なぜそう思うかというと。
カラス達、おじいちゃんとのバトル中、すぐそばにいた我々には攻撃してこなかったからです。
すぐそば?あれ?
そうです。それなりに遠くでバトルしていたはずだったのですが、ある事情により、戦場が我々のすぐ近くに移動してきたのです。
で。カラスは、あ、こっちにも人間がいるな、という程度にはこっちを見ていましたが、攻撃の意思はないようです。ただ、こっちも加勢して手出しをするのかどうか、見極めようという意図は感じられた。
で、僕としても別に
よそのじいさんのためにカラスと戦うギリはないわけです。
カラスを睨むこともなく、敵意のないことをアピール。ただし、とばっちりで攻撃されれば子どもを守らないといかんので警戒はしつつ。
するとカラスもじいちゃんとのバトルに集中する感じでした。
なので、便乗して「カラスめ!」なんて言い出した怪獣どもを軽くたしなめる。
内心、「カラスはそこのおじいちゃんを狙ってるだけだ、お前達は離れていれば安全だ、変に刺激するな」と言いたいけど言えず。
それとなく、もう行こうか、と、誘導しその場を後にする。
という具合に、僕とカラス達は、空気を読み取って対応したわけです、お互いに。
そして約1名、空気を読み取れなかった人がおりました。
えっと。
そこのおじいさま。
頼むから。
カラスとバトルしながらコッチに寄ってくるのやめてください!!
子ども連れを巻き込まないで!!
マジ勘弁しろよもう。意味わからんわー。
おじいさまときたら、近くに向かってきたときの僕の冷たい目線も意に介さず、どんどんこっちに来るんです。親子連れの団欒の場に、殺伐としたバトルを持ち込むわけです。
というわけで、離れていたはずの戦場が近づいてきたのでした。
で、どっちかというと僕は、おじいさまよりもカラスとのほうがよっぽど通じ合った気がするわけです。